pboyの雑事記

私P boyの興味をもったことが書かれています。

プレイボーイの光源氏

世の中には「プレイボーイ」と呼ばれる男性たちがいる。 極端になると、「色情魔」とも呼ばれたりする。 その「色情魔」には、「ドン・ファン型」と「カサノヴァ型」があるとされており、光源氏もこの二つのどちらかにあてはまると考えられる。
次々と女を乗り換えて遍歴を重ねる「ドン・ファン型」と、同時に何人もの女と情交を重ねる「カサノヴァ型」。 どちらが正しいプレイボーイのあり方か、なんて話をしようというわけではない。どちらもよくあるパターンである。
花から花へ、女から女へとわたり歩く「ドン・ファン型」。
ドン・ファン型」は、17世紀のスペインにいたとされる伝説上のプレイボーイで、「ドン・ファン・テノーリオ」が語源である。スペインでは、ドン・フアン・テノーリオ(Don Juan Tenorio)。フランス語ではドン・ジュアン、イタリア語ではドン・ジョヴァンニとよばれる。 伝説なので、正体は不明だが、貴族であったとされ、その生涯は放蕩児であったとも言われている。
 「ドン・ファン型」の「色情」が向けられる対象は、常に「ひとりの女性」である。その情熱は激しく、ある意味では「純粋」とも言える。しかし、その愛は、「激しさ」ゆえに破綻を迎えることも多く、「ドン・ファン型」は「愛の放浪」を重ねることになる。
 「ドン・ファン型」の「色情」は、「花と蝶」の関係にもたとえることができる。
美しい花を見つけては、その蜜を吸い尽くし、そして、次の花へと飛び移っていく。花から花へとわたり歩くように、女から女への遍歴を続ける。それが、「ドン・ファン型」と言われるプレイボーイの色情のありようである。 このタイプの彼のターゲットになると、「これでもか」というアタック攻勢を受け、その攻勢は彼の求愛に応じるまで続けられることになる。
 しかし、彼の心は、完全に彼のものになったと思った瞬間から、女性のもとを離れていきます。もうこの花からは蜜が吸えない、と判断すると、カレは後ろを振り返ることもなく、次のターゲットを求めて旅立っていくのである。
「理想の女性」を求めて女性遍歴を重ねるため、交際する相手は多いが一人の女性を愛し、彼女は理想の女性ではなかったと気づき次の女性へと移るため、交際中は女性をとても大切にするタイプである。
光源氏は最初は藤壺ただ一人に恋をしていた。しかし、義理の親子という壁は厚く、なかなか思いを遂げられない。これは前述した「ドン・ファン型」のプレイボーイといえるだろう。
しかし、密通を行い、藤壺が妊娠をしてしまう。「ドン・ファン型」の特徴の一つである
次の女性に興味が移り、これまでの女性を捨てるということを光源氏は行っていない。
これは藤壺に対してだけでなく、光源氏と交際した女性全員を光源氏は面倒をみている。
この点をもって私は、光源氏は「ドン・ファン型」のプレイボーイとは言い難いと考える。
手当たり次第に女を口説く、愛の狩人「カサノヴァ型」
 語源であるイタリア・ベネチア出身の作家ジャコモ・カサノヴァは、1725年、ヴェネツィアに生まれ、73歳で亡くなった実在の人物で、女優であった母親と劇場のオーナーであった貴族との間の「婚外子」であったとされています。女性遍歴で有名。自伝『我が生涯の物語』によると、生涯1000人以上の女性と関係を持ち、同性愛の側面もあったとされている。同時に複数の女性と関係を持ち、不特定多数を相手に口説き口説かれるタイプ。
 生みの父である貴族、ミケーレ・グリマーニの援助を受けて寄宿学校で英才教育を受けたジャコモは、早くも11歳のときに、学校の教師の妹にオーガズムを教えられます。ヴェネツィアへ戻って、教会の聖職者となったジャコモは、老評議員マリピエロに社交界での手ほどきを受け、手当たり次第に女性に手を出すようになり、教会の仕事をふいにしてしまう。以後のカサノヴァは、スキャンダルを起こしては都市を追放される、という人生を繰り返すが、一度親交を持った女性とは、激愛の時期が終わっても、長く親交関係を維持した。
 不特定多数の相手と性的な快楽を追及しようとするタイプ。「カサノヴァ型」の「色情」の特徴は、「同時に何人もの女性」と関係を持つこの「多淫性」にある、と言ってもいいだろう。ひと言で言うと、「気が多い」ということである。気は多いけれど、情交を持った相手には、相手の官能を優先して、とことん歓ばせるというやさしい一面も見せます。
 同時に何人もの女性を愛せる「カサノヴァ型」。このタイプの彼の愛を受け入れてしまうと、女性は心穏やかではいられなくなるだろう。 なにしろ彼の周りには、常に複数の女性の影が見え隠れしている。もしかしたら、「自分は遊ばれているだけなのか?」「ただ、都合のいい女なのか?」と、心を悩ませることになるかもしれない。 彼は、そんなあなたの心配をよそにつかず離れずの関係を続けようとするだろう。
 光源氏は空蝉、夕顔、明石の君、末摘花、源典侍など、数々の女性と契りを交わしてきた。これは「カサノヴァ型」のプレイボーイといっていだろう。前述した「ドン・ファン型」で挙げた例のような一部しか当てあまらないということはない。光源氏は次の女性に興味が移っても以前の女性の面倒を長く見続けた。
 以上のことから光源氏は、「カサノヴァ型」のプレイボーイであるといえる。
 総合すると光源氏の根本は「ドン・ファン型」だが、藤壺ただ一人への恋が満たされないため、藤壺に近い女性を求めて「カサノヴァ型」になったと私は考える。より詳しくいうなら「理想の一人を求めて数多くの女性と契りを交わし、理想の女性じゃなくとも今後の面倒を見る人」という「ドン・ファン型」と「カサノヴァ型」の融合と考えられる。「ドン・ファン型」と「カサノヴァ型」のどちらであるというなら私は光源氏は「カサノヴァ型」のプレイボーイであると考える